私の担当現場に子猫がいた。
亡くなっていた。
こんな事は初めてだった。
ショックだった。
私は、その子猫にタオルをかけ、手を合わせた。
そして、こう言った。
「もう少し、ここで待っててね。」
先ずは会社に連絡し、現状報告。
その後、近所に住む、この建物の所有者の元に出向き、現状を説明した。
そして、市役所への連絡をお願いした。
本来、私の役目はここまで。
だが私は、この現場で「清掃」をしなければならない。
それこそが、私の「仕事」である。
「仕事」をしていると、1時間後くらいに女性が2名来た。
私は、子猫の所へ案内した。
女性達が子猫に声をかけていた。
「見つけてもらえてよかったね。」
「私達が送ってあげるからね。」
「もう大丈夫だよ。」
こんな優しい女性達が来てくれて良かったと思った。
無言で淡々と作業を進めるような人達だったら、私としては・・・気分が悪い。
女性達が子猫を車に乗せた。
そして手を合わせた。
彼女達と一緒に、私も手を合わせた。
こうして子猫は、優しい女性達が連れて行ってくれた。
もうすぐ、昨年亡くなった愛猫「ボンちゃん」の命日が来る。
ボンちゃんへ
「子猫がそっちへ行くからね。」
「仲良くしてあげてな。」
Gerhard G.によるPixabayからの画像