王者の泥酔騒動に思う事

今月19日に開催予定だったWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗選手の8度目の防衛戦が中止になった

 

事の顛末は既に多くのメディアで報道されている。
だから私の日記では書かないが、簡単に言えば、彼は「お酒で失敗してしまった」という事だ。

 

若い頃には私もやらかした。散々やらかした。
若い頃は有り余る体力で、いくらでも飲めた。

そして、呑まれてしまった。

泥酔して動けなくなり、何処かのベンチで横たわっていたら、お巡りさんから声を掛けられた事もある。

 

言い訳をすれば、「若気の至り」だ。

 

さすがに50歳になると、お酒に呑まれるまで飲めなくなった。
妻からは、「暴飲暴食は止めてくれ」と言われるが、私としてはだいぶ大人しくなった・・・つもりだ。

 

それにしても・・・

寺地選手は何故、報道される前に自ら公表し、謝罪しなかったのだろう?

 

私は本当に残念に思う。

 

 

寺地拳四朗選手は、「具志堅用高さんの日本歴代最多防衛記録13回」を超える可能性を持つボクサーである。

私はそう思っていた。

 

お気に入りの選手ではないのだが、彼は強い。

 

戦績 17戦17勝(10KO

対戦相手の中には、元世界王者やランキング上位者多数。
軽量級にも関わらず、KO率も高い。

 

JBC(日本ボクシングコミッション)から厳罰を下される可能性がある。
ボクサーライセンス停止処分が予想されるが、停止期間によっては長期間防衛戦が行えず、そうなると「タイトル剥奪」という事もあり得る。

 

はぁ・・・😞

 

現在のボクシングは、「防衛回数」よりも「複数階級制覇」や「統一王者」が注目される傾向が強いように見受けられる。

だが何よりも重視されるのは、「誰と戦ってきたか」であろう。
勝てそうな相手を選んで、「勝ち」を積み上げても、忽ち「批判の的」である。

よって、「日本記録13回」を更新するのは、相当難しい。

 

そんな中で寺地選手は、「強い選手」と戦いながら防衛を重ねてきた。
今回中止になった8度目の防衛戦も、対戦相手は「ランキング1位・久田哲也選手」である。
現時点では「最強の挑戦者」であり、当然だが強い。

 

寺地選手本人も、「13回更新」を公言してきたし、確実に近付いていた。
だが今回の事で、これまで積み上げたものが、崩れ落ちてしまうかもしれないのだ。

 

あぁ・・・😩

 

 

そして、忘れてはならないのが「久田哲也選手」だ。

 

せっかく掴んだタイトル挑戦権をこんな形で失ってしまった。
試合は中止だ。延期ではない。

 

久田選手のブログを読んだ。

 

何故か「申し訳ございません」と書かれていた。試合が中止になった事を謝罪していた。

読んでいて涙が出た。

彼は、試合に向けて最高の準備をしていただけで、何も悪くない。

 

 

この際、寺地選手は、自らタイトルを返上してほしい。
そして、久田選手と同級ランキング上位者で、王者決定戦をやってほしい。

 

寺地選手がタイトルを返上すれば、「13回更新」の瞬間を、私のこの目で見られる日は、もう来ないだろう。

でも、そんな事はどうでもいい事だ。

 

久田哲也選手は36歳。

 

彼がもう一度、世界タイトルマッチの機会を得られますように・・・

心から祈ってます。