エアポケット

昨日に引き続き「将棋」について、今夜も書きます。

 

 

 

前王座・永瀬拓矢さんが、第3局の感想戦で「エアポケットに入ってしまった」と、おっしゃいました。

 

この対局、そしてタイトルを失った第4局ともに、局面をリードしていた永瀬さんが悪手を指して負けてしまったわけですが・・・

 

 

 

「エアポケット」には、『空白』という意味があります。

 

例えば、
「名人戦」の持ち時間は9時間で「2日制」です。

 

互いに持ち時間を上手く使いながら、「知力・体力・気力」を振り絞って戦う。

こんな極限状態の最中、
集中力が “ちょこっと” 切れてしまい『空白』が生まれ、同時に「見落とし」も生じる。

 

プロ棋士が「二歩」なんて反則手を指してしまうのも、「エアポケットにハマってしまったから」だと、私は思っています。

 

 

永瀬さんがタイトルを失った第4局の終盤戦。

話題となっている「4二金」ですが・・・

 

うーむ・・・🙄

 

これは「自慢」でも何でもないのですが、
「4二金」は私のような “大昔にプロを目指したアマチュア” でも、見えました。

 

ですが、
永瀬拓矢さんのような “トップレベル” のプロ棋士でも、極限状態の中では勝ち筋を見落としてしまう。

これが、「エアポケット」の恐ろしさ。🙀

 

集中力が “ちょこっと” 切れてしまっただけで、「勝ち」から「負け」に転落してしまうのですから、本当に恐ろしい・・・🙀

 

 

話は変わりますが、
昨今の将棋の解説に、私は非常に不満を感じています。

 

「AIが示す最善手」とか「AIの評価値」とか・・・

解説を聞いていると、
なーんか、「AI」が基準になっているような気がするのです。

 

私は、「AI」の活用を否定しません。

私がプロを目指していた頃は、プロの先生の棋譜をひたすら並べて勉強してましたが、今は「AI」です。

 

時代の変化、流れですから、「AI」は活用すればいいんです。

 

ですが!
「AI」の評価値が『最善手』みたいな風潮はねぇ・・・どうなんでしょう?

 

私は、イヤですね。

 

 

「人」の指す手こそ『最善手』だと、私は思っています。

そして、
将棋は「人」と「人」が戦うからこそ、面白いのです。

 

「人」だからこそ、『エアポケット』にハマってしまう。
これも含めて、将棋は面白いのです。

 

「AI」は、そんなモノにハマりませんからね。

 

 

それから、
「エアポケット」から抜け出し、頭を掻きむしりながら対局していた「永瀬拓矢・前王座」ですが・・・

 

きっと、今以上に強くなります。

近い将来、
藤井聡太八冠のタイトルに、挑戦者として挑むはずです。

 

理由も根拠もありませんが、私はそんな気がします。

 

清掃員クロア
永瀬拓矢さん、頑張れ!